あんな本よんだので、書いてみました小話。
初・卒業もの。
場面は式が終わったあとぐらいかな
卒業/少女4人
初・卒業もの。
場面は式が終わったあとぐらいかな
卒業/少女4人
大方の生徒が潤んだ声の教師に諭され、
赤くなった目で名残惜しげに振り返りながら去っていく。
三年間過ごした学校の、桜の木の下でサエが言った。
ねえ、おはなしみたいなおわかれしよう
なにそれーといいながら、みんなでサエの言うとおり4人で円をつくった。
赤くなった目で、うるんだ目で。
すっ とサエが卒業証書が入った筒を胸のより少し低い位置にあげる。
みんなも同じように、先っぽどうしがあたるように、筒をあげる。
おわかれ
「私は私立に」
「あたしは専門学校」
「チエは公立」
「わたしは就職」
目を合わせて、だれからともなく笑った。
「よくこんなバラけたもんだよねー」
赤い目でげらげらわらうマナミ。
その声が潤んでいて自然と胸が熱くなる。
夢を語って喧嘩して、たくさん成長した。
「ばいばいみんな!!」
ユキちゃんの言葉が合図。
先っぽをくっつけていた筒を頭の上まで一気にはなして
笑って泣いた。
これが一生のわかれにならないことも、
これからも集まることがあるのも、わたしたちはわかってる。
でも、これは別れなのだ。
一番大きな成長をした、この時代との。
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